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いわいレポート:第28回
鹿児島県の北部に過疎の街阿久根市がある。かつては人口4万人を超えた漁業と農業の街も過疎が進み、現在の人口2万6千人のうち60才以上が35%を超える典型的な過疎の街である。
ここに11年前に巨大スーパー「AZあくね」が開店した。敷地面積約5万坪、売場面積約5千坪、商品は35万品目、しかも営業は24時間営業というとてつもない巨大スーパーである。規模は地方都市にあるジャスコなどのスーパーの3倍以上、取扱品目は4倍以上である。しかも開店以来黒字であり、60才以上の老人と障害者には売上の5%の現金還元を実施している。あらゆる常識を超えたスーパーである。
恥かしいことに私はこのスーパーの存在を知らなかった。今年5月、NHKの報道番組で初めて知り、ショックを受け直ちに潟}キオの牧尾社長にアポを取り現地を拝見し、牧尾社長から詳しくお話しをお聞きして改めて再度ショックを受けた次第です。
一般的な常識では人口5万〜10万程の地方都市のスーパーの売場面積は約1/3の1,500程度、取扱商品は1/4の8万点が常識であり一時24時間営業を計画したスーパーもいずれも失敗している。こんな破天荒なスーパーが存在し、利益を上げ続けているなど信じられない奇蹟でしょう。
私は訪問に先立ち牧尾社長宛に予め次の3つの質問をお願いした。
(1)貴方はこの過疎の街になぜこれ程の巨大スーパーが必要と考えたのか、また採算も合うと考えたのですか。
(2)これ程の巨大スーパーの設立費を考えれば初期の設備投資だけでも10億を越えると思う。この資金をどのように調達されたのですか。 (注)実はこれこそ最もお聞きしたかった点です。
こんな夢物語に誰が協力したのか?
(3)企業は結局人材である。どのような人材教育をしているのですか。
早速折り返し、スーパーの歴史をまとめた雑誌が送られてきました。すでに日経・朝日・読売・テレビ東京などのマスコミで多数紹介されていて、私は自分の不明を恥じました。しかしどの記事も的を得ていないのです。
当然のことですが既に成功したスーパーを取材しているのですから、例えば成功の秘訣として「消費者の利便性第一に」(朝日新聞)「生活に徹し、死に筋商品を見捨てない」(東洋経済)などと報道しています。しかしこれらは当初、牧尾社長が同じ訴えを通産省にも銀行にも投資家にもしたはずです。しかし恐らく誰も賛同しなかったはずです。この夢物語がどうして実現できたのか、またそれが客に圧倒的に支持され存続し、発展してきたのはなぜか。この本当の理由についてどの記事も解明していないからです。私が一番知りたかったのはこれらの真実です。
次回以降の私の探訪記をご期待下さい。(つづく)
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