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いわいレポート:第27回
私の持論は“企業を大きくするな”ということである。“大きくすることを目的とするな”である。大きくすれば、当然経営者の目が届かない。社長に代わる優れた役員がいれば良いが、そうした人材が中小企業で殆どいるわけがない。結局無理して新店舗など出せば殆ど失敗する。
しかし“大きくする”ことはもっと大きな危険がある。結局、新規の固定資産を銀行の借入に依存せざるを得ないからである。
本来固定資産は増資で賄わなければならない。増資なら返済の義務がない。しかし中小企業の増資は事実上不可能である。結局、銀行借入に頼らざるを得ない。以前は不動産の借入資金など20年〜25年返済の貸付もあったが、現在では最長でも10年である。欧米の銀行は本来こうした長期資金を貸さない。それは投資銀行の仕事である。しかし日本の銀行は本来の増資資金を貸付形式で貸す。貸付なら赤字でも当然利息は回収できる。更に返済が悪化すれば貸し渋りにより企業を倒産に追い込み、担保物件を売却して回収することができるからである。
この不況下利益を出しつづけ税金を払い、残りの資金で資本金の借入額を10年以内に返済するなど、今の日本経済のもとでは不可能なことである。こんな危険な借入はない。しかし銀行は企業の業績が良いと喜んで設備資金を貸すし、経営者は安易にこれを受け入れる。しかし返済できなければ不動産を売却され、経営が行き詰まる。安易に大きくするということはこうした最大のリスクを負うということである。不況下の経営とはともかく守りを固めることである。人材を育て、お客様に信頼される良い会社をめざすことである。
借入は原則として短期の運転資金に限定すべきである。しかもいま銀行は大きく変貌している。業績悪化の企業からは一斉に手を引き始めている。また貸し渋りが始まっている。今後は企業側も手形支払を止めるとか、注文を受けたときの仕入資金を銀行に頼るのではなく、困難でも買掛先、下請先と協力して、各社の負担で納品する。製造業も同じで、資材など各社が持ち寄る。売り掛けを回収して各社に分配する。こうしたシステム作りに努力して欲しい。そんなことは不可能だと考える人が多いが、戦前の中小企業はすべてこうしたシステムだったのである。
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