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2007年11月7日:東京事務所
中小企業の社長の中で、自宅を会社債務の担保に入れているという方は、大勢いると思います。
しかしながら、この自宅を担保に入れているという事実は、会社の経営に困窮するような場面になると、とても足を引っ張ることになります。
銀行は会社から返済を受けられない状態になると、「返さないと自宅を処分するぞ。」と脅すからです。
ここまで読んだ段階では、「なんだ、そんな事か、そんな事は十分承知しているよ。」という方がほとんどだと思います。
しかし、いざ実際の場面になると、予想以上に苦労されている中小企業の経営者の方が本当に多いのです。
そこで、今回事務所通信のテーマとしてあげさせていただきました。
では、実際どういうことなのか、より具体的にお話していきたいと思います。
自宅は、言うまでも無く、生活の拠点です。
そして、より自宅を拠点として日々生活を送っているのは、いつも多くの時間を自宅の外で働いている夫(社長)ではなく、家を守っている妻であり、近所の学校に通っている小さな子供なのです。近所の人達は夫が会社を経営しており、その家が持ち家なのか、借家なのか、たいていは知っていますので、引っ越すとなると、妻や子供が惨めな思いをすることだってあります。
もちろん、家族も自宅が会社の担保に入っていることは会社の経営がうまくいかなくなれば処分されてしまうことを承知していても、いざその時となると動揺してしまうのです。
夫との信頼関係が崩れてしまい、あげくの果てにはこれを期に離婚される方もいらっしゃいます。
このように、夫はただでさえ会社の経営の問題を抱えているのに、いざ自宅の売却の問題を解決するとなると、仕事とは別に予想以上の労力を家族との間で費やすことになります。
そして、その結果、中には無理して他から借りて返済を行い借金の連鎖にはまってしまったり、良いタイミングで自宅を売却する時期を逸する結果を招いてしまう人が多くいらっしゃるのです。
中小企業の社長は、会社の連帯保証人となっているのが、通常です。
連帯保証人というのは、あたりまえのことですが、会社の債務全額について連帯して責任を負っているのですから、会社と運命共同体である以上、資産は持つべきではないのです。
仮に奥様名義で自宅を所有していれば、会社がつぶれようとも自宅は残ります。
また、仮に奥様名義の自宅に1,000万の根抵当を止む無くつけてしまったとしても、責任の限度は1,000万で済みます。つまり、やむなく任意売却して返済に充てた際に、奥様名義であれば余ったお金は確保できますが、社長名義であればすべて回収されることにもなります。これは、売上が減り、あてにする資金がない状態で任意売却する訳ですから、余剰資金として確保できるかできないかの差はとても大きいのです。社長名義であっても、交渉して幾らか資金を確保することが不可能ではありませんが、銀行に主導権をとられっぱなしの状態での交渉なので、苦しい立場となります。
さらには、債権がサービサーに移った時に、社長名義の土地を他の抵当権をつけて守って所有していると、債務免除(和解)に良い条件では応じてもらえませんし、またその交渉自体も難しくなります。債権者からすれば、抵当権がついていようが債務者が不動産という資産を所有しているという姿は好ましくなく、回収の担当者も会社へうまい報告ができない状態なのです。その点、不動産が奥様名義であれば連帯保証人になっていない以上、和解がスムーズに行くケースもあるのです。
自宅を所有するということは、夢のマイホームを実現するということになりますが、ここでもう一度考えてみてください。
住宅ローンを組んで自宅を取得すれば、銀行の社宅に住んでいるのと同じなのです。払えなくなれば追い出され、売却して残債があれば追及まできます。
また、自宅を取得すると費用として、不動産取得税・固定資産税・住宅ローンの利息・団体信用生命の保険料等もかかります。
実際に30年なり35年のローンを組んで、払い終わった時には、購入時の不動産そのものの販売価格より相当上回る金額を払ったものの、自宅は購入時より価値が下がっている場合がほとんどです。
不動産を取得するということは、一種のステータスですが、このことを考慮のうえ、検討していただければと思います。
多くの男性は、家族の幸せのために働いています。
仕事をするということは、その目的を達成するための手段にすぎません。
仕事のために家族の関係が壊れてしまったり、家族が不幸になったりしてしまったら、それこそ本末転倒だと思っています。
よく「会社の経営が傾いたら、壊れてしまうような家族なら、いっそのこと壊れてしまえばよい。」という日本古来の考え方の人も実際いらっしゃいます。
もちろん価値は人それぞれですが、ただ言えることは、一度家族を形成した以上、予め取れる対策をとっておくのは、夫としての責務であるということです。
会社を経営しているのですから、一般的なサラリーマンと同じやり方で自宅を取得する必要はありません。
少し時間がかかりますが、奥様名義で、できればローンを組まずに夢のマイホームを取得することを目指して仕事を頑張ってみてはいかがでしょうか。
そして、奥様名義の無担保の自宅を確保できれば、達成感と同時に少しほっとできるのではないかと思います。
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